春日の春の陽だまりに
そろりそろりと誘われ
繰り出す表参道
桜舞い散る境内の
鳥居の影で見つめていた
幼い頃の憧れの人
今は何処に居るのですか
春日の春はたおやかです
春日の夏は夕涼み
ゆかた姿でちらほら
繰り出す表参道
うちわ片手の夏祭り
思いをつのらせ約束した
一九の時の暑い暑い夏
かわした指きりげんまん
春日の夏はせみの声
春日の秋は赤トンボ
みのり豊かなこの地で
繰り出す表参道
いちょうの木の下一人きり
人恋しくてしたためた
貴方への手紙
送る事も出来ずに
枯れ葉共に燃やしました
春日の秋は夕陽がきれです
春日の冬は銀世界
道に迷った子犬が
雪かき分けて表参道
止め処なく降る雪しんしんと
雪明りの中たたずんで
あなたと別れた真冬の夜
雪が降る降る春日路に
春日の冬はとても静かです
幾百年の時の挾間で
此処にしるした歴史の中で
何も変わらずに全てを包んで
静かにたたずみ下さい
幾百年の時の挾間で
此処にしるした歴史の中で
何も変わらずに全てを包んで
静かにたたずみ下さい
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